11:56

 最奥の間から大蛇の口を振り返る。
 1ドット分の光りの点が見えるのわかる?

 どこかでもこの光景見たような!?そう、直根林道の隧道だ!でも明らかにこちらの方が入り口は大きかった。と言うことは、直根隧道より長いはず。直根隧道は600mオーバー。と言うことは、ここはそれ以上の1000m位はありそうだ!長いわけだ...
12:00

 帰り足は速い。

 一点の希望の光に導かれ、自然に足早になる。
 
12:05

 さぁ、出口だ!大蛇にも消化されず、無事脱出できそうだ!

 闇と静寂の中、長く彷徨ったため、視覚と聴覚が使われなかった。今、久々に五感が蘇った。
12:07

 地獄にはまだ嫌われているのか、現世に帰れた!

 この不気味な檻の中の猛獣は隧道には居なかった。って、いったいこの檻は何だったのか!?

 チョット探ってみた...
12:08

 すると、檻に横たわるように看板があった。  ・・・注意...!!!!!!!!
げげげ!!!!!!!!!!!!!!!!
殺鼠剤?????  試験中????   進入禁止??????
そこには、こう書いてあった...
「注意   自昭和44年12月1日 至昭和45年9月末日迄
米の保管試験中です。同試験には劇毒物を使用し、又、強力な野鼠駆除剤を散布中であり、人命に危険がありますから、同期間中にトンネル内への出入りを堅く禁じます。
 もし、万一事故が生じた場合、一切の補償の責に応じません。
                   和賀町・和賀町農業協同組合」
期間はとっくに過ぎているから大丈夫だろうけど...あの白い結晶...プールに生き物が居ない理由...まさかな....でも、何か具合悪くなってきた...入らなきゃ良かったかな...
檻に入っていたのは、猛獣では無かったが...ある意味たちわりぃよな...