一ノ沢下
 山間の迷い人...
 廃村 一ノ沢を探索した後、私は、そこから始まる沢を下って見た。初めは林道として、下り道が続いているが、植林された新しい森にはいると、道は突如消えてしまった...
 長い登り道へ引き返すか、道なき下り道を進むか、選択が迫られた。だが、私の性格は引き返すことを許さなかった...
 そして、迷い人は希望なき道を突き進む...
17:15

 廃村 一ノ沢。

 他のコンテンツで紹介したが、深い山間にひっそり残る(?)廃村である。

 ここまでの道のりは、険しい下り道で、谷間に吸い込まれるかのように進むことになる。
17:32

 この廃村の一画より一筋の湧水が流れ出していた。

 そう、この先、この生まれたての沢が、石沢川に流れるまで大きく育っていく様を見届けることとなる。
17:35

 廃村の奧へと続く林道がある。

 廃村から戻ろうにも、あの険しい下り道を登ることに正直嫌気があった。
 ならば下りでどこかの道へ通じることを祈り、奧へと進んだ。
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 道が随分荒れてきており、少し嫌な予感はしていた。

 っと、予想通り(なって欲しくはなかったが...)道は消えてしまった。
 新しい植林された森の中へ、道は消えてしまった...
17:39

 背の低い若杉が、我をあざ笑うかのように行く先を遮る。
 当然もう道ではなく、単なる森である。

 徐々に今自分が置かれている立場がまずいことを実感し始めた...
17:41

 しかし、それでも引き返せない性格を呪いつつ、森の中を突き進む。

 幸い藪のように視界を消すようなことはないが、どこまでも続く同じ光景に、迷路を彷徨う迷い人と思え、追いつめられて行く...

 周りには全く人の気配はない...こんな山間で...焦りが生まれ始めた...
17:42

 脇を覗くと、あの小さかった沢が、少しずつだが大きな沢へ成長を始めた。

 この時点で、意外に落差ができていたことに驚いた!
17:43

 枯れた茅の隙間から向こうの景色が見えた。

 そこには、こんな人気のない山間に似合わない(凄く小さいが)小屋を見つけた。

 最悪、あそこに泊まることも本気で考えた。
17:44

 木橋?

 いえ、単なる丸太だ。チャリを担いだまま渡る必要がある。一歩一歩ゆっくりと...

 そして、渡りきり、奧を見てみると...
 な、な、な、何!?
向こうでうごめく何かとは...