17:22

 んんん?

 緑の向こうに何か白い岩肌が!?

 なんだろなんだろ?
 まさかまさか!
17:24

 つ、ついに!
 ダムに出た!
 白い岩肌は、ダムのコンクリだった!

 いやぁっっほぅいぃ!
 生きて帰れるぅぅぅぅぅぅ!


 ん?
 でも、ここってダムの下流部?
 どうやってダムの上に登ろう!?
17:28

 しっかりありました!
 こんな崖にはいつくばるように続く、細い足場が。

 チャリを担いで、よいしょよいしょ。

 これも大変なんだけど、なぜか笑顔だった!
 生きて帰れたことの喜びが大きかった!
17:33

 そして、本当に本当に生還!

 最後まで油断はできないが、このダムサイトへ到着したからには、もう安心!

 押し殺していた喜びを、ついに解放!
17:34

 ウイニングロード!

 ダムの上を進む。
 朱色の格子が我々を祝福している!?
17:35

 鶯宿ダム。

 本来は、ここより下から登り、ただ横切るであろうダムであった。

 しかし、今我々は、ダムの上から現道を目指している。
 どこで、この運命が決まったのか!?
17:36

 ダム湖の向こうに、焼石連峰が再び望めた。

 生きて再び拝めたんだ!

 最後に拝んだのは、あの廃道にかわる直前。
 そう、3時間前。

 3時間もあの遭難を体験した。生きて帰れたからこそ、ここに紹介できたが、一歩間違えれば...
17:38

 立入禁止。
 そりゃそうだろ...


 ここで、冷静に振り返ってみて気づいた。そう、この遭難中にサングラスをなくしていた。
 藪をくぐるときに、落ちたのだろう... 

 ウルトラショック!
17:42

 無事、帰路につく。
 なんとこの後数分後、空は雨に変わる。
 山中を彷徨う中雨に降られていたらと思うとゾッとする...

 同伴者の一人は、今回折りたたみの重さ15kg以上はあるチャリでの参戦だった。
 そのため、押しや担ぎが余計に辛かったようで、この一ヶ月後、軽いチャリを買った。
 その時、店員に言った言葉は、
「担いだりできる、軽い自転車下さい。」
いぃぃやっったぁぁぁあぁぁぁ!
 もう二度と来ない!って怒られてもしょうがないこの状況を楽しみ、懲りずに再びつき合ってくれようとするこのお二方、本物の山チャリストだよ!

 ごめんね、今度はさわやかツーリングにするよ!って、期待されていないみたい...

 最後に、同伴者の一人が足首をヒルにさされていたようです。それにここまで気づかせないほど、過酷な状況だったことを改めて感じました...
 ごめんなさい...m(_ _)m