14:03

 暑い夏。しかし、ここだけはひんやりとしている。

 廃隧道に入ると感じる感覚。背筋にピシッとした感触が走る。悪寒にも似た、感覚。その後、鼓動が速くなるのがわかる。しかし、これがなぜか心地よい。
14:04

 中間地点。

 この写真からおわかりいただけるだろうか!?両脇が隆起し、物理的に衝撃に強いとされる卵形が崩されている。すごく危険なことがわかる。

 これが、通行止めとされた理由なのか...!?
14:05

 出口、西仙北町側。

 闇に射す緑の光。隧道を抜けたとき、この光を目にすることで得られる安堵感。
 隧道に入った瞬間に感じる寒気と並んでこの安堵感も、隧道探索の最高の魅力である。
14:05

 廃隧道を抜けると、そこは廃道だった。

 狭い道の両脇から植物の勢いが道を覆い隠す。
 手で植物を払いながら走る。時には顔に当たり傷を残す。管理されなくなった道の怒りなのか....
14:06

 鬱蒼と繁る植物は、さらに光を求めて、路上まで伸び出す。

 走りの邪魔をする、いや、植物の勢いを私が邪魔をしている。