12:31
草木の生命力に国道が負けている。その後も、廃道化が進む。
これって、後どれくらいで全くの藪になるんだろう...もうすぐだよな...
12:34
つ、ついに廃道...
周りが開けている分、ここは光が良く届き、草木の勢いは凄まじい...
さて、進むか...
12:36
さらにその後、道路に亀裂が!!!
廃道化の勢いは止まらない。植物にかき消されるだけじゃなく、一気にその道としての生命を絶とうとしているのか...
12:38
・・・・・。
究極の廃道化...
・・・大崩落...
道路が埋まっている。いや、それだけじゃない。崩落した土砂は、崖下数百mまで達している...
完全に道としての機能を失っている。ここは、12時13分に居た分岐点からも見えていた崩落箇所である。
・・・どうしよう。
・・・行けるか?
迷った。本気で迷った。命を懸けたこの選択に、本気で迷った。
他にここをチャリで攻略した人がいる。それなら俺にも出来ないだろうか...甘い考えだ...
12:48
10分ほど途方に暮れ、景色を眺めた。鳥海山が美しい...
その瞬間、冷静さを取り戻した。その結果は...
まだ、迷っている。しかし、今度は、どうやって進もうか迷っている。そう、行くことにしたのだ!
そして、どのルートを取るかが、次の課題となった...
12:50
取り敢えずチャリを置いて、登ってみた。10mは登っただろう。手足4本全て使って、這い登った。始めは、れきが大きく取っ掛かりがある分、登れた。しかし、半分ほど進むとれきが小さく、ものすごく滑る。足や手が引っかかる部分がない。これはやばい...
この状態は踏み込んだ人にしかわかるまい。そう、例えるならば、斜度のきついコンクリートの屋根に砂を敷き詰め、その上を歩くような感じ。こんな状態では滑落は免れず、引き返すことにした。
続いて、ガードレール下、つまり通常であれば崖下である。そこを通れないかと考えた。ここには、植物が生えており、それを掴みながら進めるのではないかと挑戦してみた。しかし、その斜度は凄まじく、両手で掴まないと、それこそ滑落してしまう。さらに、植物が根ごと抜けてしまい、一度尻餅をついてしまった...これでは、チャリを担いでなど不可能である。どうしよう...やっぱり止めるか?
いやいや、もう決心したんだ!でも、上を行くか?下を行くか?
13:01
・・・上を選んだ。最悪、滑落しても崖下まで距離がある。生に対して、少しでも可能性を残す作戦だ!
左の写真は、れきの大きな箇所と小さな箇所の丁度境だ。この部分には少しだけ植物が生えている。植物があると、その根の部分は足ががりとなる。だが、その先が問題だ...
13:02
下を見てしまった...
どこまでも続く崖だ...
・・・数分後、俺があの下に居なければよいが...
ふっと頭の中を...「死」の字が...よぎっ...た......