13:27

 盛り土の上から旧道を見渡す。

 険しい...深く険しい...トンネルを通っているのでは、峠と感じないだろうが、この光景を見ると、やはりここは峠だった...

 さっ、行ってみるか...
13:33

 カァ、カァ、カァ、カァ。

 藪を進むこちらをあざ笑うかのように、俺の頭上で、黒い死に神が弧を描く。
 不吉な形、不吉な声で不吉を招くその雰囲気に、藪の中で孤立している自分の立場が、急に不安に思えた...
13:30

 秋も暮れる頃、この時でさえ藪が辛い。道を遮る。夏場だったら...考えられない...

 完全に人を寄せ付けないための、自然の協力か...
13;29

 スノーシェッドの名残。

 ここは、県南の豪雪地帯。峠は、風の通り道として多くの雪をもたらす。スノーシェッドなくして峠を越えられなかったのか!?しかし、今はもう使われなくなったため、危険防止のため、屋根の部分は取り除かれてしまったようだ。
13:26

 どうやら道はまだ先に続いているようだ。しかし、その前に土が高く盛られている。

 完全に行き止まりにしたいがための行いか...
 どれどれ、ちょっと登ってみるか。